
UpDate 2010.01.13
マニ30型館
マニ30型。写真を見ていただければわかりますが、パッと見ではただの荷物車にしか見えません。

当写真館では様々な車両を扱っており、華やかな特急列車や動態保存されている
蒸気機関車などの写真を展示してありますが
どうみてもなんの変哲もない荷物車にしか見えない車両の特集を組むのは
「あれ?」と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、どこの業界にも
「業界におけるタブー」
というものが存在するもので、マニ30型という車両は
「存在その物がタブーであり
触れ得ざるもの」
だったのです!!
(キリコ・キュービィーと同じようなものです…w)
実際に鉄道雑誌各紙に「謎の車両を見ました」と時折投稿されることがあったのですが
紙面に掲載されることはありませんでしたし、国鉄・JRを通じて車両在籍一覧にも載せられることはありませんでした。
ちゃんと車籍はあり本線上を走っていたにも関わらずです…。
マニ30はタブーとされている!!その理由は何故か!!
(ギレン・ザビみたいな言い回しだなw)
この車両の所有者は旧国鉄・JRグループではなく日本銀行が所有している※私有車両でして
運ぶ荷物は現金!!
そう、この車両は鉄道版現金輸送車だったのです!!
ホーム側から撮影した写真をご覧ください

車両の向きとしてはのっぺらぼうな方が前向き(第一位側)でして
手前から第一荷物室・警備員添乗室・第二荷物室・車掌室の構成になっております。
荷物の性質上、車掌室からは荷物室・警備員添乗室に入ることは出来ません。

第二荷物室室内です。
実際に現金を運んでいた様子が再現されています。

お札を入れている箱の拡大写真です。

第二荷物室jから警備員添乗室を見た感じです。
警備員添乗室は公開されていないのですが、新幹線で使用していたリクライニングシートと
当時の14系などと同じ構造の寝台が設置されており
トイレ・給湯室も設置されております。
当然の如く目的地に到着するまでは外に出れませんからね…。
また、第一荷物室・第二荷物室・車掌室にも監視カメラがついており
警備員添乗室から様子が見れるようになっていたようです。
実際マニ30を使った現金輸送は2003年まで続けられており
国鉄時代は荷物列車や客車列車に連結されて運転される形態をとっていたようです。
1986年11月のダイヤ改正で荷物列車が廃止になった後は貨物列車に連結されて運転されるようになり
国鉄の分割民営化の際はJR貨物に承継されたみたいです。
話は脱線しているようで関連する話なんですが
1985年3月のダイヤ改正で寝台急行銀河が使用していた20系が老朽化した為583系化される話が持ち上がり
実際に正面のイラストマークまで製作され鉄道雑誌にも掲載されましたが
(昔館長も見た記憶があります)
いつの間にか中止され14系に置き換えられたということがありました。
当時は理由は明かされませんでしたが、マニ30が公開されてからなんとなくわかりました。
マニ30は発送直前になって鉄道電報で連結列車が決まるという形をとっており
銀河やニセコといった急行列車に連結されることもあったのですが
583系にしてしまうと大阪まで送るのに連結することが出来なくなってしまい困ってしまいます。
そこで583系ではなく14系に置き換えることにより問題を解消したのでした。
実際に銀河にマニ30が併結されている写真が掲示板に掲載されているので
間違いないでしょうね…。
マニ30は小樽市総合博物館で今でも保存されています。
小樽に行った際には、現金輸送車を見に行ってはいかがでしょうか?
撮影日:2007.09.26
小樽市総合博物館にて
※私有車両
通常であれば鉄道車両は運行する鉄道会社が所有し車籍も持っているのですが
貨物・荷物車に関しては鉄道会社に運んでもらうために所有はするけど
車籍は鉄道会社が持っているという車両が少なからずあります。
一番わかりやすいのが石油を運ぶタンク車ですね。
その為マニ30は日銀が所有しており、鉄道で郵便輸送を行っていたころは
郵便車もありましたが、所有者は郵政省でした。

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